Yumiの課外授業【英雄マウイ②】
Aloha~
寒い日が続いていますが、上を見上げれば雲1つない真っ青な空
今回は、この空のお話から始まりますよ。
《空を持ち上げた話》
大昔、ハワイの空はまだ大地と分離しておらず、くっついていたそうです。
世の中は薄暗く、人々は這って歩いていたそうです。
植物が伸びていくと、少し空が高くなりましたが、葉は平たく木々は天にぶつかり横に伸びていくので、
今でもハワイの木は枝が横に広がっているのです。
ある時マウイは水を運んでいる女性に会いました。その女性に『水を一杯飲ませてくれたら、空を高くしてあげる』
と言いました。水を貰ったマウイは、まずは空を一押し。すると人間たちは直立して歩くことができるようになりました。
更に一押しすると、これまで折れ曲がっていた木々がピンと真っ直ぐ上に伸びました。
最後に渾身の力を込めて空を押し上げると、ハレアカラ山など山々が出現しました。
空が高くなると、世の中は明るくなり人間たちは大喜び。雲も遠のき雨も少なくなりました。
鳥たちも大空を自由に飛び回る世界になりました。
《太陽を捕まえた話》
昔、ハワイは昼がとても短かったそうです。
それは太陽が大急ぎで空を渡るので、あっという間に日が落ちてしまっていたということです。
日照時間が短いので野菜も果物も育ちが悪く、漁師は海に出てもすぐに帰ってこなくてはいけないので漁をする時間が
短く魚が捕れない。そして、マウイの母であるカパ作りの名人でもあったヒナは、カパが乾かないと言って困っていました。
そこでマウイは太陽に、もっとゆっくり空を駆けてもらうよう直談判に行くことにしました。
まずは、太陽を観察すると、ハレアカラ山から出て、ハレアカラ山に帰ることを突き止めました。
母ヒナにハレアカラ山に太陽に会いに行くことを話すと、ヒナは『太陽は手強いので、きっと大変な戦いになる』と
言いました。ヒナはマウイに縄をたくさん持たせました。
ハレアカラ山に着くとウィリウィリの木(※3)に隠れ太陽を待ち伏せしました。
太陽の一本目の足が出てくると、マウイはその足を縄でウィリウィリの木に結びつけました。
2本目3本目の足も、そして16本の足を全部ウィリウィリの木に結び太陽は動けなくなりました。そして太陽に向かって
『おまえが急いで寝床に帰ってしまうから昼が短くて、野菜も果物も育たないし、カパも乾かないし、時間が無くて仕事が
捗らない。許してほしかったら、もっとゆっくり空を回れ!』と言いました。
太陽は観念してマウイの言う事を聞くと約束しました。
それからはハワイの昼は長くなり、野菜も果実もよく育ち、漁では魚もたくさん捕れて、カパもよく乾くようになったそうで
この神話がハレアカラ山の名前の由来になったと言われています。
Haleakala・・・直訳すると『太陽の家』という意味です。
《火をみつけた話》
昔のハワイアンには火をおこす技術がありませんでした。火山の噴火の火がない時は、野菜や魚も生で食べ、
風が強く寒い夜に暖を取ることもできませんでした。
ある時カウポでの出来事です。カウポといえば・・・一昨年のホイケで初心者さんが踊ったMe Ka Nani A’o Ka’upo
マウイ島ハレアカラ山の麓ですが、曲ではクネクネ道のドライブやカウポに住む優しい人たちを歌っています。
話がそれましたね💦 マウイは兄たちとカヌーに乗って漁に出かけましたが、島を振り返ると山に煙が見えました。
ハレアカラ山はもうずっと噴火していなかった為、人々は火を手に入れることができていなかったので、久しぶりに温かい
食事ができると喜んで、大急ぎで島に戻りました。
しかし、火はどこにもありません。
別の日にも同じようなことが起こり、マウイは漁に行かない日は山に火を探しに行きました。
マウイ達が漁に行く日に限って、山で煙が上がっているので、漁は兄たちに任せ、1人山に行くようになりました。
ところが、マウイが山に行く日には煙が上がっていることはなく、何度か山に行くと、ある時アラエ・ウラ※4という鳥たちの
話声が聞こえてきました。
『今日はマウイが漁に行ってないから焼きバナナは作れないよ。人間たちに火の起こし方を教えてはいけないって火の神様が言っていたからね。』
そこでマウイはカパで自分の身代わりを作りカヌーに乗せて兄たちに漁に出てもらい、自分は山で隠れていました。
すると、アラエ・ウラたちがやってきて『早く火をおこして焼きバナナを作ろう!』と言った時、突然マウイが現れ
アラエ・ウラを捕まえました。そして、火のおこし方を教えるように言うと『水草をこすり合わせる』と。
その通りにしても煙は出てきません。マウイは捕まえた鳥を掴む手に力を入れると、『わかったよ。教えるよ。』と
タロイモの葉をすり合わせるようにマウイに言いました。しかしそれでも一向に火はつきません。
からかわれていることに気づいたマウイが怒って一層強く鳥の首を絞めると、アラエ・ウラは観念して
『イリアヒの木(※5)とハウの木(※6)をすり合わせると日はおこせるよ』と教えてくれました。
マウイは人間たちに火のおこし方を伝え、それ以来ハワイアンは必要な時に火をおこせるようになりました。
アラエ・ウラに火のおこし方を教えてもらった後、マウイは自分を騙した罰にと鳥の頭に火のついた枝をこすり付けました。
だから今でもアラエ・ウラの頭は真っ赤なのですね。
ところで『イリアヒ』ですが・・・。Pua Iliahiという曲がありますね。日本名は白檀(ビャクダン)といい
扇子など香りづけに、英語ではサンダルウッドといいアロマオイルとして使われています。
ハワイ語の名前のイリアヒは、”Ili(hide)-ahi(fire)”で、「火を隠す」という意味です。
このマウイの伝説が名前の由来ともいわれています。
マウイが高くした空、今日も澄みわたっています。
太陽はこの季節はまだ急ぎ足でハレアカラに帰ってしまうようですね 私達も早く帰ってステイホームです。
暖かい家で温かいご飯を食べゆっくり休んで体力、免疫力を上げ元気に過ごしましょうね
次回もマウイのお話ですよ
2021.1.19