Yumiの課外授業【ハワイの女神6 Pele②】
ALOHA ペレ続編、遅くなってしまいましたが前回の話は覚えてますか?
復習はこちらから
今回もまた有名な伝説を紹介しますね。
《オヒアレフアの伝説》
昔、キラウエア火山の近くにオヒアというハンサムな男性がいました。
ペレはオヒアに恋心を持ち、魅力的な若い女性の姿になりオヒアの前に現れました。
ところがオヒアにはレフアというとても愛し合っている恋人がいたので、ペレに心を奪われることはありませんでした。
プライドの高いペレの怒りと嫉妬心は、火山を噴火させ、溶岩が二人を飲み込みました。
全てを見ていた神々たちに非難され、ペレは平常心に戻ると辺りを見渡しました。
そこに広がった光景は、美しかった森も鳥たちも黒々とした溶岩に変わっていました。
そして、逃げ切れず抱き合ったまま溶岩に包み込まれたオヒアとレフアが真黒な岩になっていました。
ペレは一時的な憤怒で、罪のない愛し合う二人の命を奪ってしまったことを、深く後悔しました。
しかしペレには二人を生き返らせる力はなく、かわいそうに思った神がオヒアを木に、その木に咲く花に
レフアを変え、二人はいつまでも離れることなく、ずっと一緒に居られるようになりました。
キラウエア火山の近くのレフアの花は摘まないでくださいね。オヒアから離されたレフアの涙が雨となって降るそうです。
《ヒイアカとロヒアウ》
ある日、ペレは妹たちを集めて、『これから9日間の眠りに入るので誰も起こさないで』と言いました。
そして本当に眠りに就き、ペレの魂は結婚相手を探す旅に出ました。
カウアイ島のイケメン王子ロヒアウという人間と出会い、美女の姿をしたペレに心を奪われたロヒアウと
数日間、一緒に過ごしました。
しかし、ペレはハワイ島に帰らなければならないので『必ず妹を迎えに寄こすから待っていてほしい』
と言い残し、ペレの魂はハワイ島で眠っているペレの肉体に戻りました。
目を覚ましたペレは、再び妹たちを集め『誰かカウアイ島に私の夫ロヒアウを迎えに行ってきて』
と言いました。ところが誰も返事をしませんでした。
そこで、一番末の妹で最もペレに従順なヒイアカに
『40日以内にロヒアウを連れてきて。但し絶対にロヒアウに手を触れないこと。』という条件で命じました。
ヒイアカは快諾しましたが、『親友のホーポエと大切にしているレフアの森だけは何があっても守ってほしい』
とお願いしました。
ハワイ島からカウアイ島までの旅は命がけでした。
途中、何度もモオ(トカゲの怪物)に襲われるなど困難の連続でした。
それは、女神ペレと人間であるロヒアウが結びつくことを許さない精霊たちの仕業ともいわれます。
それでもペレの命令に従いヒイアカはロヒアウを迎えに行きますが、カウアイ島に着いたときには
ペレを思うあまりにロヒアウはすでに亡くなっていたのです。
ヒイアカはロヒアウの死体が隠されている洞窟に行き、何日もかけて蘇生の祈りを捧げました。
おかげで命を取り戻し、回復したロヒアウはヒイアカとハワイ島へと向かいますが、この旅もまた
困難が降りかかります。
この時のヒイアカの旅の無事を案じているチャントがあります。
ーNo Luna E Ka Hale Kai No Ka Ma’alewa ー
このチャント(唄)にケアリーのクムフラが曲をつけ、フラでもステージでよく踊られています。
カプアケアでも踊れる人は多いはず
折角なので、No Lunaの歌詞を記載します。踊れる人は踊ってみて!エアラ~エアラエア~
No luna e ka hale kai no Kama`alewa
Nana ka maka ia Moananuikalehua la
Noho i ke kai o Mali`o
I ke ku a`ela ka lehua i laila la
I laila ho`i
`Ea la `ea la `ea
山の上のKama`alewaの隠れ家から
その目はMoananuikalehuaを見る
Mali’oの海に住む女神
そこにはレフアの木が立っている
まさしくそこに
エアラーエアラーエアー
Hopoe ka lehua ki`eki`e i luna la
Maka`u ka lehua i ke kanaka la
Lilo a i lalo e hele ai
`Ea la `ea la `ea
I lalo ho`i
`Ea la `ea la `ea
Hopoeのレフアは高く伸び
おそれているレフアは人間を遠ざけ
下へと追いやる
エアラーエアラーエアー
下の方へ
エアラーエアラーエアー
Kea`au `ili`ili nehe i ke kai la
Ho`olono i ke kai a`o Puna la `ea
No Puna i ka ulu hala la
`Ea la `ea la `ea
Kai ko`o Puna
`Ea la `ea la `ea
Kea’auの小石は海でザラザラと音を立てる
プナの海(溶岩)で聞こえてくる
プナに茂るハラの木
エアラーエアラーエアー
荒波が押し寄せるプナ
エアラーエアラーエアー
1番のMoananuikalehua(モアナヌイカレフア)とはペレの親友で、海では赤い色をした魚に変身する。
ペレの恋敵となるヒイアカの行く手を邪魔するのです。
モアナヌイカレフアが棲む海が荒れないことを願っています。
そして彼女は陸では赤いレフアの花が沢山咲くレフアの樹に姿を変えていました。
2番はレフアの森は神の為の禁断の花で男たちは誰一人として近づくことが許されない。
ヒイアカの親友ホーポエと大切に守っていたそのレフアの森が燃えていることを恐れています。
3番は溶岩に飲み込まれ黒い岩になったホーポエが波に打たれて粉々の小石になってしまいました。
さて、話をもどして・・・
自分を蘇生させ、守ってくれるヒイアカに対し次第にロヒアウは惹かれていきました。
ヒイアカもまた、旅を続けるうちにロヒアウに惹かれていましたが、ペレとの約束を守り貫いたのでした。
しかし、この旅は思いのほか時間がかかり、約束の40日を過ぎてしまいました。
ハワイ島で待つペレは、帰りの遅いヒイアカが自分を裏切ったと思い、怒り狂い、火山が噴火し
溶岩が流れ、レフアの森もホーポエも飲み込まれ焼き尽くされてしまいました。
漸くペレの元にロヒアウを連れて帰ってきたヒイアカは、真黒になったレフアの森と
波に打たれて踊っているかのように揺れる黒々とした岩になったホーポエを見て愕然としました。
そして、これまでペレに気兼ねしていたが、もう自分の気持ちを抑えることはないとヒイアカはその場でロヒアウと抱き合いました。
それを見て、ますます嫉妬し怒るペレと迫ってくる溶岩から、ヒイアカとロヒアウはカウアイ島まで逃げて行きました。
そしてその後二人はカウアイ島で幸せに暮らしました。
to be continue….